分科会・ワークショップ
2019年10月25日(金)9:30~16:00(④は16:30)

① 発達障害の支援とは 定員270名
シンポジウム(午前)09:30〜12:00 第1会場

壺内昌子(岡山市発達障害者支援センター/こども総合相談所)
赤尾知宏(岡山市こども総合相談所)
黒川明宏(リトルプラス)
ペアレントメンター

 発達障害のある子どもは早期発達において、その特性から養育者の不安や育児負担は周囲が考えるよりも大きい。早期より親子の状況に寄り添った養育支援が求められている。集団に参加することによって伸びることを期待される児童期は、大人の期待とは裏腹に発達障害のある子どもにとっては集団の中で苦しい体験が増える時期でもある。すべての子どものそれぞれの成長を応援するために大人は、発達障害を含む子どもの発達についての正しい理解が必要である。理解のない中で成長し精神疾患や行動上の問題が生じた場合を「二次障害」と呼ぶことがある。「発達障害についての理解のない大人により生じさせてしまった二次障害」との印象を与えがちである。発達障害のある子どもの中には感覚過敏や不安の高さなど生まれ持った特性のために家族の支援があっても暮らしにくい状態にあることもある。親の理解がないから、親が神経質すぎるのでは、病院に行くべきでは?など精一杯養育に向き合っている親が責められていると感じることもある。本セッションを通じて、困難な状況にある発達障害のある子どもやその親、成人や家族について誤解なく知ることにより社会全体が発達障害について理解する機会としたい。


② こころを元気にする簡易型認知行動療法 定員270名
講義(午後)13:30〜16:00 第1会場

大野裕(一般社団法人認知行動療法研修開発センター)

 認知行動療法は、私たちが日常意識しないで行っている効果的なストレス対処法をわかりやすくまとめて、誰でも使えるようにしたアプローチです。認知行動療法のスキルを身につければ、いろいろなストレス状況に対処できるだけでなく、そこからさらに進んでいくこころの力を発揮できるようになります。そこで、認知行動療法の基本的な考え方を紹介し、ストレスを感じたときに自分を取り戻し、自分が期待する現実に近づくための次の4つのステップについて紹介します;第1ステップー気持ちや身体の変調に気づく、第2ステップ―ひと息入れて自分を取り戻す、第3ステップー思い込みから自由になる、第4ステップー期待する現実に近づくために工夫する。


③ 日本の災害と自殺予防 定員225名
シンポジウム(午後)09:30〜12:00 第2会場

コーディネーター
 太刀川弘和(筑波大学医学医療系災害・地域精神医学教授)
シンポジスト
 太刀川弘和
 前田正治(福島県立医科大学医学部災害こころの医学講座主任教授)
 来住由樹(岡山県精神科医療センター院長)
 張 賢徳(帝京大学医学部付属溝口病院精神神経科)
司 会
 河西千秋(札幌医科大学神経精神科教授)
 張 賢徳

 災害後には、心的外傷後ストレス障害(PTSD)やうつ病をはじめ様々な心理的不調が生じることがわかっている。そこで自殺予防の観点から災害後のこころのケアは重要である。日本では、阪神淡路大震災後からこころのケアの重要性が認識され、東日本大震災以後災害派遣精神支援チーム(DPAT)に代表される災害後急性期から中長期までのこころのケアが組織化されつつある。そこで本シンポジウムでは、自殺予防を含む日本の災害後の精神心理的問題への対応の現状を、福島の原発被害対応、岡山の豪雨災害対応の実践例とともに紹介し、よりよい災害対応について検討したい。

「豪雨災害・水害時のメンタルヘルスケア:2018年西日本豪雨災害時の経験から」
 来住由樹(地方独立行政法人岡山県精神科医療センター)

日本列島には、梅雨と秋雨の長雨、夏の台風があり、高低差の激しい国土から歴史的に水害に襲われてきてきた。1980年代後半からは気候変動により気温が上昇傾向にあるためか水害頻度が高まっている。この5年に限っても、2014年広島市土砂災害(局地的豪雨)、2015年茨城県常総市水害、2016年岩手・北海道水害、2017年九州北部豪雨災害、2018年西日本豪雨災害と続いた。
被害はハザードマップどおりに生じており、いずれの地に居住していても、自身の問題として水害に備えることが必要となった。
当日は、2018年の西日本豪雨災害の被害状況について報告し、当時おこなわれた医療・保健・福祉の活動の実際を報告する。災害時のメンタルヘルスにおける課題を自助、共助、公助の視点から整理することで、次の災害に備えたい。


④ 精一杯生きたいのちを共に悼む 定員225名
シンポジウム(午後)13:30〜16:30 第2会場

竹島 正(川崎市精神保健福祉センター)
田中幸子

 自死遺族の自助グループが誕生する中で、自死遺族支援に変化が起こっている。亡き人を悼み、亡き人を中心において、みんなで自死遺族支援や自殺予防を考えていけるようにしたいという声が国内外から高まっている。この分科会では、自死遺族支援の原点に立ち返り、遺族がほんとうに元気になれる支援は何なのかを考える。また遺族から自殺予防を学ぶこと、すなわち亡くなった命を伝え、その命を未来につなぐことも自死遺族支援の大切な要素になることを提案する。そして分科会の最後には、精一杯生きた命を共に悼むセレモニーを行う。


⑤ DV・ストーカー被害女性のこころのケア 定員110名
講義(午前)09:30〜12:00 第3会場

小畑千晴(岡山県立大学 地域共同研究機構 客員准教授 公認心理師・臨床心理士)

 自死遺族の自助グループが誕生する中で、自死遺族支援に変化が起こっている。亡き人を悼み、亡き人を中心において、みんなで自死遺族支援や自殺予防を考えていけるようにしたいという声が国内外から高まっている。この分科会では、自死遺族支援の原点に立ち返り、遺族がほんとうに元気になれる支援は何なのかを考える。また遺族から自殺予防を学ぶこと、すなわち亡くなった命を伝え、その命を未来につなぐことも自死遺族支援の大切な要素になることを提案する。そして分科会の最後には、精一杯生きた命を共に悼むセレモニーを行う。


⑥ 死とどのように向き合うか 定員110名
講義(午後)13:30〜16:00 第3会場

髙木孝子(ノートルダム清心女子大学名誉教授)

 今まで、死はとかくタブー視されていました。しかし、死について考えることは決して暗いニヒルな思案ではなく、限りある人生をいかによりよく生きるか考え、自分自身を見つめなおす得難いチャンスでもあるのです。また、「死への準備教育」に対する一般社会の関心も今大変高まっていますので、どのように死に向き合っていくかについて考えていくことは、大変に重要なことであると思います。
 これまでのご自分のつらい経験を語り合う場を求めていらっしゃる方、誰もが避けて通ることのできない死についてもっと深く考えたい方と共に、この分科会での出会いの中から、同じ思いを持つ多くの方と手を組んで、心の輪を広げて参りましょう。
 今日、物質文明が優先されがちの現代社会に住む私たちは、ともすれば“生と死“について無関心になりがちですが、誰でもが生と死について考え、学び、行動することのできる場を作っていくことは本当に大切なことです。
 岡山での、「生と死を考える会」は、1990年4月に身近な人との死別体験を語り合い、生と死について学ぶための場として発足しました。
 この会では、生と死を考えるセミナーや講演会などで、死と死別に関するさまざまな問題について学びあいます。また、ホスピス・ボランティアのための学習をおこなうボランティア教室も開催しています。
 また、生と死別、悲嘆に関する諸問題などを対象とした実りある研究活動や、末期医療の充実、発展やホスピスについての研究会、また医療関係者を中心としたグリーフ研究会もあります。
 この会の活動を通して、生と死に向きあう私たちのあり方を、ご一緒に考えて参りましょう。


⑦ GID 定員60名
シンポジウム(午前)09:30〜12:00 第4会場

松本洋輔(岡山大学病院ジェンダーセンター) 
鈴木富美子(プラウド岡山 代表)
大島義孝(岡山大学病院精神科神経科 医師 )

 性同一性障害(GID) だけでなく、LGBT の略称で知られる性的マイノリティーは、生きづらさを感じやすいことが知られている。生きづらさの原因は多々あるが、「男らしく」「女らしく」生きることが社会的に望まれる姿として語られ刷り込まれている社会のありよう、言い換えれば性別規範が過剰に道徳規範と結びついているマジョリティーの意識が、性的マイノリティーの行きづらさを生んでいると言えるだろう。このセッションでは、性の多様性と性的マイノリティーについての基礎知識を整理し、なぜ性的マイノリティーは生きづらさを感じてしまうのか、「彼ら」の問題ではなく、社会を構成する「私たち」の問題として討論を行うことを目的としたい。

鈴木富美子(プラウド岡山 代表)

 セクシュアル・マイノリティ当事者とその家族、支援者らによる自助・啓発グループ「プラウド岡山」の交流会で語られる悩みや相談ごと、また、プラウド岡山が岡山市教育委員会と協働して実施した「主に岡山県内の性的マイノリティを対象とした学校生活に関するアンケート調査」から見えてきたことなど、当事者の特に10代~20代の若年層が抱えている“生きづらさ”について言及したい。同時に、保護者や教師、相談者等に求められることや、家庭や学校、地域社会における人権課題としてのセクシュアリティについて考察する。


⑧ インターネット相談の基本 定員60名
ワークショップ(午後)13:30〜16:00 第4会場

西川一臣(インターネット相談スーパーバイザー)

 インターネット相談は、現在全国15のセンターと連盟で実施、運営されています。
この分科会では、インターネット相談を受ける際に必要な知識や手法の基本を体験的に学びます。電話で「話す」相談と、メールで「書く」相談の違いを体験してみませんか。
(講義)インターネット相談(メール)の基本
(演習)インターネット相談 返信文の作成
 演習では、各々の返信をグループで読み合い、文章から伝わる印象や感想等を共有します。この研修を通して「書く」相談のよさや難しさも感じとっていただき、今後の相談活動にも活用できるヒントを見つけてくだされれば幸いです。
 なお、未経験の方を対象とした研修になります。現在インターネット相談活動に入られている方やこれまでに連盟のインターネット相談の研修会に参加されたことがある方は参加できませんのでご注意ください


⑨ 電話相談員の共感疲労とストレス 定員42名
講義(午前)09:30〜12:00 第5会場

加藤博仁(吉備国際大学教授)

 いのちの電話の電話相談員は、自殺企図のある人や悲惨な体験をした人、強い怒り感情を持っている人との関わりもあり、相談員はその都度緊張や恐怖、苦痛などのストレスに晒されることがあります。ですから、相談員が活動を続けるためには、心身共にタフであり、柔軟な対人関係の持ち主であることが大切です。また、ストレスを上手に発散したり、生活に楽しみを見出したりなどのセルフケアも必要です。さらに、非対面性や一回性などの援助構造や、スーパービジョンや継続研修の体制、仲間の存在などが相談員をサポートし、活動の継続に貢献します。この研修では、ストレスを跳ね返す力(リジリエンス)をどう高めるかについても考えたいと思います。


⑩ エチオピアの人々に見る支え合い 定員42名
対談(午後)13:30〜16:00 第5会場

塚本千秋(岡山大学大学院社会文化科学研究科教授)
松村圭一(岡山大学大学院社会文化科学研究科教授)

本分科会では、文化人類学の領域で長くエチオピアでフィールドワークをなさって来た松村先生をお迎えし、現地での生活、特に人々が病んだり、問題を抱えたりした時の相互支援の姿を中心に 1時間ほど、お話ししていただきます。
その後、岡山いのちの電話の理事で、精神科医として長く岡山いのちの電話にかかわってきた塚本先生から、現在行われているカウンセリングなどの狭い限定的な視点ではなく、「人と人のつながり」という視点から見た「支援的関わり」について30分ほど話題提供をしていただきます。
  休憩後、2人で対談しながら、フロアの方々とも意見の交換を行いたいと思います。


⑪ 手打ち蕎麦の体験指導 定員 午前8名
実習(午前)09:30〜12:00 第6会場

⑫ 手打ち蕎麦の体験指導 定員 午後8名
実習(午後)13:30〜16:00 第6会場

児嶋孝一(浅口市金光手打ち蕎麦同好会代表)

若い時から、いろんなことに興味をもち、何でも挑戦しようと、取り組んで来ました。生まれつき体を動かすことが好きで、会社定年後は、趣味を生かして、何か地域の皆さんに喜んでいただき、そして人生100年時代を楽しく元気で過ごしたいと思い、手打ち蕎麦同好会を始めて、15年以上経過しました。
 楽しく手打蕎麦を作りましょう。よろしくお願いいたします。


⑬ フォーカシング入門 定員16名
ワークショップ(1日)09:30〜16:00 第7会場

兒山 志保美(岡山大学保健管理センター 公認心理師・臨床心理士)
山口 修(岡山いのちの電話スーパーバイザー部長)

私たちの内面には「嬉しい」「悲しい」といったはっきりした感情だけではなく,もっと漠然とした感じがあります。日常生活の中では慌ただしくて、感じる時間もないこの曖昧な感じにゆっくりと注意を向け,受容的に感じることは,私たちに静かな充実感をもたらします。また,そのようなやり方で自分の内面に注意深くゆっくりと触れることで自分の感じの意味が分かり,自分が深いところで何を求めているかがはっきりしてくることもあります。このように,自分の内面の感じに焦点を当てるプロセスをフォーカシングと言います。日頃の忙しさから少し離れて,ゆっくりと丁寧に自分の内面に触れてみましょう。


⑭ 自分と出会うサイコドラマの体感 定員15名
ワークショップ(1日)09:30〜16:00 第8会場

林 清秀(スクールカウンセラー)
林 順子(スクールカウンセラー)

 皆さん、モレノという名前を聞いたことがありますか?サイコドラマを創始した人です。現在、日本でもサイコドラマ(集団心理療法)は、医療・教育・福祉・産業などの場で広く使われています。
 今回は、一日だけのセッションですのでサイコドラマの導入に欠かせないウォーミングアップ技法を紹介しながら楽しい体験を共に作り出せたらと思っています。
 セッションⅠ 幾つかのウォーミングアップ技法の体験
 セッションⅡ 彫刻技法の体験など


⑮ プレゼンス いま、ここでの、自分 定員15名
ワークショップ(1日)09:30〜16:00 第9会場

森口 章(沢田の杖塾 主宰)
藤坂 圭子(心理面接室TAO 主宰)

自分の心が安定した状態で相談を担当することが大切です。しかし現実はなかなか難しいものです。相談を受けているうちに自分の傷が引き出され、自分のことと相手のことの区別がつかなくなることも、しばしばありがちです。
今回は構成的エンカウンターですが、相談相手に向き合うときのプレゼンス(いま ここでの 自分)をメインテーマとし、そのような難しさをどのようにして凌いでいるのか、あるいはどんな工夫をしてきたのかなどを語り合えたらと思います。
 お互いに、自然に心を開き合えるような、良い空気に溢れたグループづくりをしたいと思っています。


⑯ ハンセン病を知っていますか? 定員20名
講義/フィールドワーク(1日)09:30〜16:00 長島愛生園 ・邑久光明園

難波幸矢(日本キリスト教団東中国教区常置委員・光明園家族教会長老)
太田由加利(邑久光明園社会交流会館資料展示室の学芸員)

 岡山にハンセン病の療養所があることを知っていますか?知ってるけどどこなんだろう?
岡山の東南、瀬戸内海に面した風光明媚なところに細長~い島があります。長島です。(瀬戸内市邑久町)その長島にハンセン病の療養所はあります。長島の東に国立療養所として日本で初めて建てられた長島愛生園が、西に明治から始まった外島保養院(大阪にありました)を前身とする邑久光明園があります。両療養所の人達は、平均年齢85歳を越えています。療養所では、ハンセン病の人が今でも暮らしていると思いますか?答えはNOです。ハンセン病はみなさん治っています。じゃあ、どうして療養所に居るの?どうしてなんでしょうか?その答えを自分の目で見て確かめてみませんか。大自然あふれる長島でお待ちしています。


⑰ 内観療法 定員15名
講義/実習(1日)09:30〜16:00 後楽園 鶴鳴館

笹野友寿(川崎医療福祉大学教授)
林 孝次(山陽内観所所長)

 内観療法とは、「してもらったこと」「して返したこと」「迷惑をかけたこと」の3つのテーマに沿って、過去の対人関係を集中的に想起する精神療法です。一種の自己反省法であり愛情発見法でもあります。内観によって親子関係が改善すれば、人間関係が楽になります。また、感謝の気持ちが芽生え、生きる喜びを味わうことができます。ひいては、自分にとってかけがえのない人たちを幸せにすることにも繫がります。内観の技法はいたってシンプルなものです。この3つのテーマに沿った記憶想起を試みるだけで、大きな気付きを得ることができ、悩みから解放されます。やり方さえ知っていれば、自分一人で、いつでもどこでも容易に行うことができます。


⑱ 岡山後楽園歴史ものがたり 定員30名
講義/実習(1日)09:30〜16:00 後楽園 鶴鳴館

万城あき(岡山県郷土文化財団 主任研究員)

1 後楽園鶴鳴館で「岡山後楽園歴史ものがたり」を使っての解説  
2 延養亭特別公開への参加(入園料とは別途見学料必要)と解説
 岡山後楽園は約300年前、岡山藩二代目藩主池田綱政がつくった庭園です。明るく広々とした庭園で、昼間のひとときをゆっくりと過ごし、明日への活力を養っていました。今では芝生の大庭園として有名ですが、築庭から約100年間は芝生よりも田畑が広く、また、園外の山々を借景として取り込んだ広大な景観は歴代藩主も大切に守ってきました。明治になり、池田家から岡山県に譲渡された後も、「名園保存」のために先人たちが奔走してきました。今日、私たちが目にする庭園になるまでの過程や変化、見どころなどを解説します。また、藩主の居間であった延養亭の特別公開にもご参加いただけます。